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サバ(雌)。太平洋に浮かぶ小さな島で生まれる。上京後、コギャル系ローマ人を経てVIPPERへ。英語コンサルタントの顔も持つ。"qちゃん"という子猫を飼っている。 趣味は自作自演。japanese_sabaアットlive.jp


by kyonkoenglish

炎神戦隊ゴーオンジャー

日曜朝7時半から30分間。テレビ朝日。
こんなに楽しいテレビ番組は、他に知らない。

【設定】
ヒーローは赤(熱血リーダー)、青(冷静な分析)、黄(かわいい女の子)、
緑(あまり目立たない)、黒(やたらとかっこつける)の5人。

テーマは車。炎神は「エンジン」、ゴーオンジャーは「轟音」「Go on」という
駄洒落。ヒーローたちは車型のマシンで戦う。最後はもちろん合体する。

【悪役】
害気大臣キタネイダス、害水大臣ケガレシア、害地大臣ヨゴシュタイン
の三大臣が、ヘルガイユ宮殿に住んでいる。要するに、環境破壊がテーマ。
送り込んでくる怪獣は、空気を汚すものや水を汚すものなど、わかりやすい悪役設定。
なお、なぜ三人も大臣がいるのに陛下がいないのかは不明である。

前回の放送では、三大臣が力を合わせて「大連立ー!」と叫んでいた。
脚本家のセンスに脱帽である。

【決め台詞】
”Let's go on!"と言って変身する。ここだけ英語。
そして「メット、オン!」でヘルメットを装着。
残念ながら、英語で「メット」と言えば、meetの過去形である。

戦う際の決め台詞

赤…「パワー全開!」
青…「ズバリ正解!」
黄…「スマイル満開!」
緑…「ドキドキ愉快!」
黒…「ダッシュ豪快!」

よく作ったものだ。
そして、三大臣が毎回よこす怪物は、巨大化するとき、こう叫ぶ。

「さぁんぎょおー、かくめーい!」

耳を疑った。

【物語の真のテーマ】
このドラマは、人間の文明の進化とそれに伴う矛盾を表している。

そもそも、轟音と排気ガスを撒き散らしている「ゴーオンジャー」たちは、自分たちも
環境破壊の一端を担っていることに、なぜ気づかない。

しかも、敵が「さぁんぎょー、かくめーい!」をした瞬間、自分たちも巨大化し、
闘いの中で周りのビルをがんがん潰している。相当数の犠牲者が出ていることだろう。
これでは悪役と一緒ではないか。勝てばそれで良いのか、ヒーローたちよ。

つまりこの設定は、産業革命が起こった途端に自分たちも負けじと技術開発をして
職場環境の悪化、環境破壊など、周りが見えなくなる資本主義の歴史を皮肉ったものである。
マックス・ウェーバーはもちろん、マルクスやケインズを副読本して読むことにより、
より番組のテーマについて深い考察ができるはずだ。

今後の展開として予想されるのは、車で環境問題と戦うことの矛盾に気づいた
ゴーオンジャーが、電気自動車で戦う「エコロジャー」へと転身。
グ○ンピースとの出会いと提携、オイルメジャーとの闘いへと発展していくものと思われる。
結末としては、やはり政治的圧力と石油の力には勝てなかったエコロジャーが

「もはや限界!」

と投げ出してしまうことによって、世の中の厳しさを子供に教えることになるだろう。

と、いうわけで、とても面白いので是非観て欲しい。わけない。

以上、アンジェラ・鈴木でした。
by kyonkoenglish | 2008-04-22 22:19