今年は誰と・・・。
2008年 02月 11日
昨日はまだ雪が残っていたというのに、今日の銀座はさほど気温が高くなく、コート一枚でなんなくしのげる程度である。ヘアー・サロンでカットを終えた良い気分というのも手伝って、中央通りを散歩しようと思い立った。三連休の最終夜、人通りはさほど多くないが、手をつないだままお菓子屋のショー・ウィンドウを覗くカップルたちが目立つ。視線の先にあるのは、言うまでもなく高級ブランドのチョコレートである。
カップルたちにつられてショー・ウインドウを覗くと、ハート型にふちどられたケースの中に、すました顔をして座っているトリュフ、ウィスキー・ボンボン、宝石をあしらった色鮮やかなチョコレートなどが、こちらを誘惑するように美しく並んでいる。
吸い込まれるように店内に入ると、店中にチョコレートの香りがたちこめており、先ほど魅了されたチョコレートたちが値札つきで鎮座しているのであった。その中でももっとも高級で、美しいチョコレートは、ほかのチョコレートたちより一段高く並んでおり、「パリ 限定販売」という札が恭しく添えてあった。
別に、こんなに高級なチョコレートをあげる相手なんていないし、と、そこを離れようとしながらも、なぜかアイツの顔が浮かんできて、シャンパントリュフは好きだろうか、などと考えてしまうのである。
その店を出てから、銀座中の洋菓子店やデパートを歩き続けた。東京という一大消費都市では、これほど多くのチョコレートが世界各国から集まっているのだ。そう思うと、驚くというよりあきれてしまう。
どのチョコレートも美しく、美味しそうであるのに、どれもアイツにあげるのとはちょっと違う気がした。贈り物というのは、包みを開けたときの驚き(ネタ的な面白さ)と、実用性(ここでは美味しさ)が兼ね備えられていないといけない。私はどうも「驚き」に偏りがちで、昨年は大失敗してしまった。
さて、どうしようか。アイツは確か、女の子みたいにかわいいものが好きだ。目に付いたのは、動物の形をあしらったチョコレートがわっかに並んだ「メリーゴーランド」というもの。うーん、と・・・子豚のくりくりした目とにらめっこしてみる。これはかわいいだろうか。たぶん、かわいい。アイツも「かわいいー」とか言ってくれそうな気がする。しかし・・・これは美味しいのだろうか。あと、やっぱり動物の形って、下手をすれば幼稚に思われないか。子豚か・・・子豚とサルとタヌキか・・・。
トリュフがきれいに並んだ箱を見ていると、「ワインの味なんですよ」とお店のお姉さんが勧める。ワインか・・・ワインが好きなあの人は、ワイン入りのチョコレートを喜んでくれるだろうか。あ、でもダイエット中って言ってたから・・・ちょっと違うかな・・・。
こんなにも他人の好みについて考える機会は、そうないだろう。デパートが終了の音楽を鳴らすのを背中に聴きながら、私は三つの紙袋を持って外に出た。どれも本命チョコであった。
どうかアイツとアイツとアイツが、それぞれ気に入ってくれますように。
祈りながら、家路についた。
カップルたちにつられてショー・ウインドウを覗くと、ハート型にふちどられたケースの中に、すました顔をして座っているトリュフ、ウィスキー・ボンボン、宝石をあしらった色鮮やかなチョコレートなどが、こちらを誘惑するように美しく並んでいる。
吸い込まれるように店内に入ると、店中にチョコレートの香りがたちこめており、先ほど魅了されたチョコレートたちが値札つきで鎮座しているのであった。その中でももっとも高級で、美しいチョコレートは、ほかのチョコレートたちより一段高く並んでおり、「パリ 限定販売」という札が恭しく添えてあった。
別に、こんなに高級なチョコレートをあげる相手なんていないし、と、そこを離れようとしながらも、なぜかアイツの顔が浮かんできて、シャンパントリュフは好きだろうか、などと考えてしまうのである。
その店を出てから、銀座中の洋菓子店やデパートを歩き続けた。東京という一大消費都市では、これほど多くのチョコレートが世界各国から集まっているのだ。そう思うと、驚くというよりあきれてしまう。
どのチョコレートも美しく、美味しそうであるのに、どれもアイツにあげるのとはちょっと違う気がした。贈り物というのは、包みを開けたときの驚き(ネタ的な面白さ)と、実用性(ここでは美味しさ)が兼ね備えられていないといけない。私はどうも「驚き」に偏りがちで、昨年は大失敗してしまった。
さて、どうしようか。アイツは確か、女の子みたいにかわいいものが好きだ。目に付いたのは、動物の形をあしらったチョコレートがわっかに並んだ「メリーゴーランド」というもの。うーん、と・・・子豚のくりくりした目とにらめっこしてみる。これはかわいいだろうか。たぶん、かわいい。アイツも「かわいいー」とか言ってくれそうな気がする。しかし・・・これは美味しいのだろうか。あと、やっぱり動物の形って、下手をすれば幼稚に思われないか。子豚か・・・子豚とサルとタヌキか・・・。
トリュフがきれいに並んだ箱を見ていると、「ワインの味なんですよ」とお店のお姉さんが勧める。ワインか・・・ワインが好きなあの人は、ワイン入りのチョコレートを喜んでくれるだろうか。あ、でもダイエット中って言ってたから・・・ちょっと違うかな・・・。
こんなにも他人の好みについて考える機会は、そうないだろう。デパートが終了の音楽を鳴らすのを背中に聴きながら、私は三つの紙袋を持って外に出た。どれも本命チョコであった。
どうかアイツとアイツとアイツが、それぞれ気に入ってくれますように。
祈りながら、家路についた。
by kyonkoenglish
| 2008-02-11 21:40