サバ(雌)。太平洋に浮かぶ小さな島で生まれる。上京後、コギャル系ローマ人を経てVIPPERへ。英語コンサルタントの顔も持つ。"qちゃん"という子猫を飼っている。 趣味は自作自演。japanese_sabaアットlive.jp


by kyonkoenglish

丸ビル・EASEカフェ

「熱っ」

きれいにフォークで巻いたパスタを口に入れると、パスタに絡んでいるモッツァレラチーズがもろに舌を焼いた。

「痛い」

声に出して言ってみる。
それは舌の痛みなのか、彼女の言葉のせいなのか。
目の前には、さっきまで彼女が飲んでいたカフェラテのカップが置かれたままになっている。

「そんなことしてらっしゃるの」

一回り年下の私にも異様に敬語を使う彼女。頭が良く、キャリアがあり、もちろん綺麗。つまり、私が一番嫌いな女だ。

「あまり甘く考えて行動されていると、火傷をしますわよ」

話すたびに、細い薬指に不釣合いなくらい大きなダイヤがきらきらと光る。こんな女の、どこが良いのか。パーティで同じテーブルになった二人の男性は、いつもは私を持ち上げるのに、その場ではうっとりと彼女ばかりを見つめていて、私は傷ついた。

「もっとよく考えた方が良いのではございませんこと?」

仮面のような笑顔が、猫になる。
猫みたいな女。どうしたらそんなに自分を愛らしくみせることができるのか。

「ニャー」

猫ひろしの真似をしてみたら、ひぃっと声をあげて猫女は飛んだ。

熱いパスタをもう一度口に運ぶ。

「熱っ」

そうか。

私は自分が猫舌だったことを思い出した。
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by kyonkoenglish | 2008-02-01 23:20