惑う
2008年 02月 22日
昨日からわたしはミノムシである。いや、昨日の昨日だったかな、一年前のような気もする。とにかくわたしはミノムシになった。ミノの中に入って首をすくめ、縮こまって暖をとる。
寒いのではない、うそ寒いのである。寒い、寒い、うそ寒い。
それは腰のあたりから背中へと這い登ってきて最後にがぶりと首に噛み付く。
痛いよ。もういい加減にしろよ。
うっすらと夢を見る。教会。墓地。白い花束。足音。風。
あちらの世界に行くときに、必ず見るのだと母さんが言っていた。
ミノムシになったわたしは、もうわたしではないのだろうか・・・足音。
ぐしゃっという音がする。
あぁ。これがそうなのだな。
薄れゆく意識の中、彼は「もう寒くない」と呟いた。
寒いのではない、うそ寒いのである。寒い、寒い、うそ寒い。
それは腰のあたりから背中へと這い登ってきて最後にがぶりと首に噛み付く。
痛いよ。もういい加減にしろよ。
うっすらと夢を見る。教会。墓地。白い花束。足音。風。
あちらの世界に行くときに、必ず見るのだと母さんが言っていた。
ミノムシになったわたしは、もうわたしではないのだろうか・・・足音。
ぐしゃっという音がする。
あぁ。これがそうなのだな。
薄れゆく意識の中、彼は「もう寒くない」と呟いた。
by kyonkoenglish
| 2008-02-22 20:29