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サバ(雌)。太平洋に浮かぶ小さな島で生まれる。上京後、コギャル系ローマ人を経てVIPPERへ。英語コンサルタントの顔も持つ。"qちゃん"という子猫を飼っている。 趣味は自作自演。japanese_sabaアットlive.jp


by kyonkoenglish

第一章 ドMの20年~やってはいけない(2)~

■中学~高校時代(英検用単語暗記期)

待ちに待った「大きくなったら」の年齢がやってきた。
中学校に通ったら「英語」を学べるのである。私は夢中で教科書をめくり、参考書をむさぼるように読んだ。

ところが、あまり楽しくはないことがすぐにわかった。
簡単な単語は知っているし、英語に慣れているため、英文の意味が「なんとなく」理解できてしまったのである。
それなのに、参考書には「SVOC」だの「so that構文」だの、わけのわからない文法用語が並んでいる。こんなもの、何の役に立つんだろう?

ここで私は大きな勘違いをした。
「単語さえわかれば、文法がわからなくても英語はできる」と思ってしまったのである。

この勉強法に拍車をかけたのが「英検」であった。忘れもしない、旺文社の『英検単語集』シリーズ。
この単語集を買って、数百個あるすべての単語を単語カードにし、学校の行き帰りや休み時間にひたすら覚えた。
歩いているときも食べているときも単語カードをめくっている、思えば感じの良くない子供であった。もちろん、単語集一冊分はすべて覚えた。

幸か不幸か、この単語集の的中率は非常に高く、中学生で英検準二級、高校一年生の春に英検二級を取得した。
この「単語暗記法」はさらにエスカレートし、「英単語集ではなく、いっそ英和辞典を丸暗記したらどうか」と考え、その頃持っていた英和辞典を暗記し始めた。最初に覚えた単語は"abacus"「そろばん」であった。それからabandon, abbey と続いたのは今でも覚えている。

私の新しい試みを聞いた父は、「明治時代の人たちは、辞書を暗記して、もう見ることができないように、覚えたページを破いて食べたんだ」と私をあおった。
それを聞いて、「辞書を食べるのは、ちょっと意味がわからない」と思ったのと、根気が続かなかったので辞書丸暗記の夢はついえた。
 
大学受験期に入ってからも、相変わらず文法は無視していた。
高校教師はしきりに「関係代名詞の主語がどうしたこうした」と教え、予備校講師は必ず長文中のSとVの数を数えていた。
私は、なんのこっちゃ、と思いながら文法の時間はほとんど何も聞いておらず、文法問題の問題集の問題と解説を暗記した。
この方法でテストではいつも満点近く取れるので、これで良いと思っていた。

そのうち大学受験用の教材では飽き足らなくなり、シドニー・シェルダンを原作で読んだり、まだ翻訳される前のハリー・ポッター第一巻を取り寄せて読んだりしていた。
まさに勘違いの絶頂期であった。
by kyonkoenglish | 2007-07-31 19:31 | 第一章